突然おこる不幸の際の遺品整理と相続放棄

(1)遺品整理とは?相続財産とは?

遺品とは、生前に故人が使っていたすべてのものをいいます。意味合いは多少違いますが、同じような言葉で、相続財産という言葉が使われることもあります。相続財産は、相続人に引き継がれることになる被相続人の(物を含めた)権利義務を言います。たとえば、不動産の所有権や現金預金、車などは相続財産と言えるでしょう。

重要)遺品の中には、相続財産が含まれることもありますが、逆に相続財産にならないものも含まれます。たとえば、生前に故人が残していた日記や手帳などは、相続財産として受け継がれることはないですが、故人の貴重な遺品として扱われます。

(2)遺品整理はいつどのタイミングでおこなえばよいか

遺品整理を行う時期については、法的な定めはありません。よって「なによりも急いて行わなければいけない」などということはありません。

但し、持ち家などのように、決まっていないからと言っていつまでも放置しておいて良いというわけでもありません。少なくとも遺産分割をおこなうときまでは、ある程度整理しておく必要があります。

重要)しかし、故人が「賃貸」に住んでいた場合は、その後継続して借用して利用することがない場合などは、大家さんや管理会社と話をしたうえで、速やかに退去しなければいけないことがあり、その場合ひとまず遺品をすべて遺族の家や貸倉庫に一時的に移動するという手段をとることもあります。また、遺品整理の中には、当然相続財産として扱われる財産もあり、遺産分割の際にはすべての相続財産を明確にしておく必要があり、遺品整理はそれまでに間に合わせる必要があります。遺産分割も、期限に区切りはありませんが、相続放棄の期限が3か月となっているため、それまでに、遺品整理を行う必要があります。

(3)遺品整理の進め方はどのようにすればよいでしょうか

①遺言の内容を確認 故人が生前に遺言書を残している例は10%程度と言われていますが、遺品整理を行う前に、まずは遺言書の有無、内容を確認します。法定効力のある遺言書があれば、基本的にはそれに従って遺品整理をしていくことになります。

重要)法定効力のある遺言書とは、公正証書遺言か家庭裁判所で検認を受けた遺言書です。法定効力のある遺言書がない、遺言書に記載のない遺品がある場合は、遺族で話し合いながら遺品整理を進めていくことになります。

②遺品を仕分けする 相続財産になるもの…遺品の中には価値がつくものがあります。言い換えると、専門業者に依頼すると買い取ってもらえるものです。使用頻度や状態によって買取価格は変わりますが、価値がありそうなものは、査定をしてもらいます。また価値がつくということは、相続財産にふくまれることがあるので、勝手に廃棄したりしてはいけません。

例-1) ブランド品、貴金属、骨董品、美術品、古書、家具、家電、楽器、着物、車、本・コミック・CD・DVDなど売ってしまう、そのまま残す、どのパターンにしろ、トラブルにならないように相続人の間で処分方法をしっかり話し合って決める必要があります。

例-2) 貴重品…公的な証書や重要書類を指します。これらの書類は、ただ残しておくだけではなく、行政に変換したり、停止の手続きをおこなったり、細かな対応が必要なものが多いです。具体的には次のようなものがあります。預金通帳、クレジットカードやキャッシュカード、印鑑、健康保険証、マイナンバーカード、パスポート、年金手帳、公共料金等の請求書や領収書、有価証券、契約書類、不動産などの権利関係書類、

どれも相続手続きを進める中で大変重要なものになるため、遺品整理をする際にいちばんはじめに確認するとよいでしょう。

例-3) 廃棄するもの…例1や例2に当てはまはず、不用だと言えるものについては、処分します。故人のものと思うと廃棄してしますのは忍びないと感じられますが、スキャンしたり、写真に撮ったりしてデータの形でのこしておくという方法もありますので、いろいろ調べて工夫も必要です。

③それぞれの方法に合わせて処分 遺品の仕分けができたら、売却するものは専門業者に依頼、廃棄するものは自治体の指定に従って処理、とういうようにそれぞれの方法にあわせて遺品を処分します。なお、買取依頼をしたところ、思っていたよりも価値がつかなかったり買取不可となる場合もあるので、その時は改めて処分方法を関係者で検討・相談しましょう。

④遺品や遺産を分割 遺品の仕分け処分が終わったら、残っている遺品をどのように分けるのかを相続人全員で話し合います。親族が遠方に住んでいたりする場合、集まって話すことが物理的に難しい場合もありますが、その場合はビデオ通話やオンライン上の方法で話し合うのもよいと思います。比較的安価なリモート会議ができるものも増えていますので調査検討してみてください。

重要)相続財産として扱うものの分割については、必ず遺産分割協議を実施し、そこで遺産分割協議書を作成し、相続人全員の押印をとるという段取りで行わなければなりません。この過程を省略すると、後々の手続き(銀行や不動産など)で、スムーズにいかない場合もありますし、場合によっては相続税の申告等でも問題となることがあるので注意します。

⑤遺品整理を専門家に依頼する場合 遺品整理は専門家に任せることもできます。遺品整理士という資格を持つプロに依頼することで、遺品の仕分けから場合客や処分の手続きまで一貫して行ってくれます。細かいサービス内容や費用、サービスの質などは業者によって異なりますので、複数社から見積もりを取る、インターネットなどで口コミを見るなどして、納得できるところを選びます。尚、業者に依頼した場合の費用の決め方は2通りあり、遺品の亮によって向いている算出方法が異なります。

方法1…部屋の広さで算出:部屋の間取りや広さによって費用を算出する方法です。荷物の量に関わらず費用が決まるため、遺品量が多い場合に適しています。

参考費用)間取りが1K 4万円~、間取りが1LDK 10万円~、2DK 13万円~、3DK 20万円~。

方法2…荷物の量 トラックの大きさや台数で費用を算出する方法です。遺品の量が少ない場合に適しています。但し、段ボール一箱でも超過すると費用が大きくかさんでしまします。判断が難しい場合は、事前に見積もりを依頼します。

参考費用)1トン(箱90個程度) 5万円~、1.5トン(箱150個程度) 8万円~。

(4)遺品整理をする上での4つの注意事項

①処分に迷うものは残しておく 遺品の中には廃棄すべきか残しておくべきか迷うものもあります。そうしたものは直ぐ判断せず、一時保留にしておき、のちのち処分しなければよかったと後悔しないようにします。

重要-1)特に書類関係については、その重要さが本人しか分からないこともありますが、後々の相続手続きなどで必要になる書類も多いので、極力全ての手続きが終わるまでは残しておくようにしましょう。

需要-2)手帳や手紙などもしばらくの間は残しておくとよいでしょう。手帳や手紙には個人が親しくしていた方の連絡先が残されていることがあります。ある面、その人たちとつながっているのはその手帳だけで、それを捨ててしまうと二度と繋がることができない可能性もあります。

②デジタル遺産にも注意 パソコンやスマートフォンを利用していた場合に注意したいのが、写真や文書、SNSアカウントやドメイン、サーバー、FX口座などのデジタル遺産です。

重要)ライセンスの契約の有無などは注意が必要です。一般的にWEBサービスなどは、契約の通知などもメール等で送られてくるため、しらない間に課金されていた、ということも少なくありません。緒々の手続きが完了すると、クレジットカードなども停止しますが、それらの手続きが終わるまで、課金が続いていたということもあります。契約書などが見つかればそこから解約などの手続きをとるのが一番よいですが、紙の契約書が残っていないWEBサービスなどもあるので、端末に保存されているデータなどを確認することが必要です。

③トラブルにならないように相続人全員で決める 相続人の中でも多くの場合、被相続人と一番接点のあった人が代表的な立場で遺品整理を行うことが多いようです。また、遠方に住んでいて物理的に遺品整理を行うことが難しい方もいます。

重要)全員共同作業で行うように、どまでは難しいかもしれませんが、遺品整理が終わった後全員で確認することは必要です。実は相続の現場では、相続財産が比較的少ない家庭の方が争いに発展するケースが多いというデータがあります。高価な資産はないから大丈夫と思わずに、きちんと全員の確認をとりながら進めましょう。

④業者へ依頼する場合の注意点 大事な遺品をぞんざいに扱われた、遺品を安く買い取られた、さらには処分してほしくないものまで処分された、追加料金が発生したといったどらブルが起こったというケースは少なくありません。

重要)一番は実際に業者へ依頼した人の体験談などを聞くことがよいことはまちがいありませんが、突然起こったことでそこまで調べるのは難しいので、それでも最低限必要な 専門業者の口コミ投稿やインターネットで調べられる範囲でサービス内容や評判を調べるようにしましょう。

(5)相続放棄する場合の3つの注意点 

①遺品整理すると、相続放棄が認められなくなってしまう恐れがあります。

①-1遺品整理で相続放棄ができなくなるケース 民法では「相続財産の全部または一部を処分したとき」は相続の意思があるとみなされ、相続放棄ができないと定められています。ですから遺品整理のつもりで遺品の全部または一部を廃棄したり売却したりしてしまった場合は相続放棄ができなくなってしまいます。明らかなkゴミや交換価値のないものを処分するのは問題ないとされていますが、相続財産とみなされるものについては、気をつける必要があります。

①-2相続放棄しても形見分けはできることがある 相続放棄すると当然、遺産相続はできません。しかし、相続放棄しても、常識の範囲での形見分けは認められることになっています。故人が着古したスーツや小物類など、交換価値がないものであれば、形見として受け取っても相続の意思があるとみなされることはありません。但し、価値がないと思っていても、実は高価なものだったということもあります。その場合、相続放棄ができなくなってしまう危険性がありますので、専門家に価値を評価してもらうなど、形見分けにも注意が必要です。

②相続放棄する場合の遺品整理の方法 相続放棄したい場合は、遺品には一切触れないのがベストです。ただし、相続放棄することで、遺品整理する人がいなくなった場合、遺品はそのまま放置することになってしまいます。故人が賃貸物件に住んでいた場合は、大家さんなどに相続する旨を伝え、財産の処分を一任してしますこともできます。ただし、この方法では、大家さんが自腹で財産処分を行うことになりますから、大変な損失になります。また、相続放棄しても、相続財産の管理責任は残ります。これは、不動産の管理等から逃れるために相続放棄をすることを防ぐもので、特に故人が持ち家に住んでいた場合に関わってきます。相続放棄をするからといっても管理を放棄していると、管理義務違反として損害賠償を請求される恐れもあります。では、祖王族放棄する場合の遺品整理や相続財産の管理はどのようにすればよいでしょうか

③トランクルームや自宅に荷物を一時的に移動する場合 一刻も早く遺品を移動したい場合は、トランクルームや自宅などに荷物を移動する方法があります。そうすれば、大家さんに迷惑をかけることもトラブルになってしますことも避けられます。しかし、トランクルームや倉庫を借りればその分費用がかかりますし、自宅に保存するにしても場所をとります。もちろん、相続放棄したものを勝手に処分することもできません。不要なもののためにお金や場所をとられることになりますから、あくまで一時しのぎと考えましょう。

③相続財産管理人を選任する 相続財産管理人とは、相続人がいるかどうかわからないときや相続放棄によって相続人がいなくなってしまった場合に、家庭裁判所への申し立てによって選任される人のことです。相続人に代わって相続財産の整理を行い、余った財産は国に帰属されます。

重要)申し立てができるのは、利害関係人(被相続人の債権者、特定遺贈を受けた者、特別縁故者など)と検察官です。もちろん、相続放棄した本人も含まれます。相続財産管理人を選任した場合、申立人がその費用を支払わなければなりません。費用の相場は、20万円~100万円とされています。相続放棄した本人が、必ずしも申し立てしなければならないものではありませんが、スムーズに遺品を処分するためには、申し立てしたほうがよいと思われます。

(6)まとめ

 遺品整理をするうえで重要なのは、必ず相続人全員の同意のもとで行うことです。遺品の内容によっては、相続に深く関わることになるので、独断での処分はトラブルを引き起こしかねありません。また、業者に依頼する場合は、評判や料金を調べ、納得できるところに依頼することがポイントです。遺品整理は、故人が残したものを整理処分するというだけでなく、遺された人たちの悲しみを癒すという要素もあります。不要なトラブルを起こさないためにも、全体的な処理のながれと注意点を把握して取り組みます。  

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